2024年06月

6月22日、「あれから13年、原発問題のいまを問う!「線量計が鳴る」上映会とシンポジウム」に参加しました。

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私自身、原発事故の被害者でもあるのですが、今回は、中村敦夫さんが出られるということで、ぜひお会いしたいと思い行ってきました。私は世代ではないのですが、Youtubeで偶然「木枯し紋次郎」の動画を見て、「中村敦夫さんカッコいいな。主題歌の上條恒彦さんもカッコいいな」と思い、ファンになっていた所です。上條恒彦さんは、数年前、帝国劇場の「ラ・マンチャの男」で生で拝見しまして、感動したのですが、中村敦夫さんは主人公ですからね、生で見れて感激しました。

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作品の内容は、元原発技士だった男が、事故をモノローグ形式で振り返りながら語るというものですが、約100分の作品で、中村敦夫さんが一人でずっと語っている訳ですが、全くダレる事もなく、見ている方も全く飽きる瞬間もなく、すっかり引き込まれて100分間が過ぎてしまいました。中村敦夫さんは、環境問題に取り組む「みどりの会議」という政党を立ち上げ、1998年から2004年まで国会議員も務められた方ですので、原発問題にもとても詳しく、大変勉強にもなりました。

上映会とシンポジウム終了後は、販売会もあり、サイン本を購入させて頂きました。

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2ショット写真も撮って頂いて感激です。84才というと、私の父と同い年ですね。いつまでもお元気で居てほしいと思います。

ちなみに、この会は、日本ペンクラブが主催だったのですが、会員も募集しているという事で、入会資格を訪ねた所、「2冊以上の本を出していること」とあったのですが、私は、本1冊と映画の脚本1本だけでして、それでも大丈夫か訪ねた所、可能だという事で、あとは、推薦者が居れば申込みができるそうです。そんな訳で、昨年出版した「怪人家族の総選挙」を中村敦夫さんにお渡しし、推薦のお願いもして来ました。しかし、入会もそんなに簡単ではないと思うので、良いお返事が頂けなくても、また賞に挑戦してレベルアップして行きたいと思っております。

そのような所で、色々と収穫のある会でした。

2024年6月12日に、東京地方裁判所で開かれた、「311子ども甲状腺がん裁判」を傍聴してきました。

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開廷前に、裁判所の前で、弁護士さんや支援者の方が集会を行っておりました。代表の方(事務局?)とお話をした所、なんと、福島県中通りの方(震災当時)でした。たしかに考えてみると、浜通りの避難地域の方は他所に避難し、賠償もされていると思いますが、この、「甲状腺がん」については、避難地域でなく、当時、福島に残った方の被害者が多いのかもしれませんね。(震災から数年は福島に居て、その後、福島を出たような方ですね)

また、被告は、国や福島県かな?と思って訪ねた所、「東京電力だけ」との事でした。私のイメージでは、「甲状腺がんの原因が放射能だと立証するのは難しいが、その後、甲状腺がんと診断し、切除手術をした(そのせいで具合が悪くなったり苦痛を受けた)のは国や県の責任だから賠償せよ」という主張かと思っていたのですが、違っていて、少々意外でした。

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傍聴券の配布には100人以上は集まっていたので、抽選になりましたが、運良く当たり、膨張することができました。

話を聴いてみると、

原告「原発事故のせいで甲状腺がんになった」
被告(東電)「それは過剰スクリーニング検査のせいだ(国が悪い)」
原告「いや過剰診断ではない(国は間違ってない)」

といったやり取りで、ともすれば、原告があべこべに国を弁護してるような印象も受けまして、これはちょっと戦略を誤っているのではないかと思いました。

裁判となれば、被告は全力で逃げようとしますから、「甲状腺がんと診断して手術したのは国の責任だ(そしてそれは過剰診断だ)」という主張になります。そこで、被告に国や福島県が入っていれば、「じゃあ国と福島県が賠償してください」と言える訳ですが、今回は被告に入っていませんから、原告が逆に「あれは過剰診断ではなかった」なんて、国を弁護するような話をしている訳です。

わかりやすく書くと、以下の2つの戦い方があると思います。

①甲状腺がんになったのは、原発事故の放射能のせいだ(東電責任論)
②甲状腺がんと(過剰)診断され手術されたのは、国や県のせいだ(国、県責任論)

これを別々にやると、国も東電も責任を押し付け合って逃げようとしますので、一緒に訴えるべきでしたね。そうすれば、必ずどちらかの責任に持っていく事ができたと思うのですが。

まあ私は法律の専門家ではないので、難しい話はわかりませんが、はじめて今回の裁判を傍聴して思ったことを書かせて頂きました。私も元福島県民で原発事故被害者とも言えるので、原告の子どもたちには頑張ってほしいと思ってはおりますが。今後も機会があれば傍聴しに行ってみたいと思います。

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